「あ、間違えた!」でも
ボールペンだと消せないし…
なんていうのは過去の話。
今は書いても消せるボールペン、
いわゆる「フリクションボールペン」
が主流になりつつあります。
でもフリクションボールペンが
なぜ書いても消せるのか知っていますか?
ここではその仕組みや
誕生秘話、注意するべきこと
などについて説明します。
フリクションボールペンについて
よく知らない人の役に立つはずですよ。
「フリクションボールペン」の開発者はどうやって発明したの?
フリクションボールペンの技術は
もともと筆記具で使うことを
想定していませんでした。
今の
パイロットコーポレーション常務取締役の
中筋さんは当時開発を行っていましたが、
ある研究から会社が撤退したので
新しい対象を探さなければなりませんでした。
そこで目をつけたのが
「温度で色が変わるインク」
です。
まさに気温で色が変化する
紅葉からヒントを得て着手しました。
論文が少ないながらも研究・開発をすすめ、
わずか1年程度で中筋さんは
色が変わるインク
「メタモカラー」
の原理を発見したのです。
そして1972年には特許を取得しました。
ですが、
変化する温度と元の色に戻る温度の幅が狭く、
また厳密には決まっていなかったので
ボールペンには応用していなかったのです。
そんな中、
2002年に
パイロットコーポレーション・オブ・ヨーロッパ代表取締役社長、
マルセルさんから掛けられた言葉で
「フリクションボールペン」
が誕生することとなりました。
それが
『「ある色から別の色へ」ではなく
「ある色から透明に」することはできないか?』
というものでした。
ヨーロッパでは筆記具といえば
主にボールペンや万年筆で、
それは大人だけでなく学校に通う子供たちも同じ。
でも書き間違えると
ボールペンのインクを消せる
「インク消し」のペンで消して、
さらにこのインク消しの上から
書けるペンで書き直さなければならず、
その手間や持ち物の多さに頭を悩ませていました。
そこでこの3つを1本のペンにしてしまおうと考えたのです。
中筋さんは当時、
色が変化しない温度の幅を広げることに成功。
これによって日常生活で使用・保存しても、
意図的に筆跡が消えてしまうような心配はなくなったのです。
さらに開発が進み、
様々な色が作られ消しカスがでない
専用カバーも開発されました。
このようにして
フリクションボールペンは人気商品となっていったのです。
「フリクションボールペン」の使用場所に注意!こんな失敗談も…
書いても消せるボールペンは便利ですが、
適したところで使わないと痛い目を見ることも。
失敗談として多いのが
①手帳の予定が消えた
②飲み物の下敷きにしたら文字が消えた
③パソコンの付近で使っていて文字が消えた
などです。
手帳の予定はボールペンで記入する、
という人は多いでしょう。
でも予定が変更になったりキャンセルになったりして、
手帳から消そうとこすることは結構ありますよね。
しかし、しっかりこすると熱が伝わり、
裏の文字まで消えてしまうんです。
会議や試験など、大切な用事は
フリクションボールペンではなく
消えないペンで書くのがおすすめです。
温かいコーヒーや紅茶を飲みながら
勉強したり、調べものをすることも
あると思いますが、
そんなときも要注意。
フリクションボールペンで書いた紙などを
カップの下敷きにしてしまうと
一瞬で消えてしまいます。
こすらなくても、
ある一定以上の温度になると消えてしまうので、
うっかり下敷きにしないように気を付けましょう。
そして、
パソコンで調べものをするときも注意が必要。
パソコンも熱を放出しているので、
特に裏側や隙間に入ってしまうと
メモ書きは高い確率で消えてしまいます。
他にも証書や宛名書きなど、
「消えたら困る」
ところには使わない方が良いですよ。
フリクションボールペンの仕組みとは?
フリクションボールペンは
キャップについている
消しゴム(ラバー)でこすることで、
書いた文字を消すことができます。
これは摩擦熱を利用したもので、
消しゴムで消したときのような
消しカスが出ないのです。
摩擦熱によって消える温度は65 °Cに
設定されているので、
それ以上の高温では全て消えてしまいます。
反対に色が戻る温度は-20 °Cになっているので、
それよりも寒い環境では消した文字が復活します。
ただ、このような温度環境は
日常生活やペンを使う環境では
ほぼあり得ないので心配する必要はないでしょう。
まとめ
フリクションボールペンは日本で誕生しましたが、
そのきっかけは外国人の視点がきっかけでした。
瞬く間に人気商品となりましたが、
使う場所に気を付けないと困ったことになりかねません。
「消えたら困る」ようなところには使わず、
適所適材を心掛けて使ってくださいね!
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