お彼岸時期になると
見かけるようになる彼岸花は、
お彼岸の前後3日位咲くことが
名前の由来とも言われています。
でも実は毒があるって知っていましたか?
繊細な見た目からは想像できませんよね。
そこで彼岸花の毒の種類や強さ、
対処法などを紹介します。
「うっかり子供が触ってしまった!」
なんて事があっても、
これを読めは慌てず対応できますよ。
彼岸花の毒は場所によって強さが違う
彼岸花は「全草有毒」といって、
すべての部分に毒がある植物です。
つまり、
きれいな花、細い茎、葉から球根まで
全部位に毒があるんです。
「全部に毒があるなら危険な植物なんじゃ…!」
と考える人も多いと思いますが、
実は気を付ければそれほど危険ではないのです。
彼岸花に含まれる毒は
・リコリン
・ガラタミン
などをはじめとした
20種類以上の有毒成分です。
彼岸花の毒が最も強いのは球根部分で、
他の部位はそんなに神経質にならなくても
大丈夫なんですよ。
彼岸花の球根は「鱗茎」とも呼ばれ、
食べると最悪死んでしまうこともあるそう。
これは虫や動物から
球根を守るためと言われていて、
彼岸花の自衛の意味もあるんですね。
球根1g当たりに含まれる
リコリンは約0.15mg、
ガラタミンは約19mg
となっています。
人間がリコリンを摂取したときの
致死量はおよそ10gなので、
球根を1個食べても死ぬようなことはありません。
とはいえ、
とにかく「口にしない」こと
を覚えておけばOK。
手で触るだけなら問題ありませんよ。
豆知識。彼岸花の花言葉とは
彼岸花は毒があり、
美しい見た目でも敬遠されがちな植物です。
また、彼岸花といえば赤色ですが、
他にもピンク、白、クリームなどの色もあります。
彼岸花は通常の植物と逆で、
花が咲いてから茎や葉っぱが成長します。
その性質から「葉見ず花見ず」と呼ばれ、
昔の人は彼岸花のことを恐れて
「死人花」「地獄花」
などと呼ぶこともあったのです。
他にも別名がたくさんありますが、
「幽霊花」「狐花」
など、ちょっとネガティブな
イメージを連想させます。
こう見ると
「彼岸花ってなんか怖い…」
と思われるかもしれませんが、
彼岸花の花言葉は
「情熱」
「また会う日を楽しみに」
「想うはあなたひとり」
「転生」。
色によっても変わってきますが、
おおよその意味は同じです。
彼岸花の毒はどんな症状が出る?毒抜き方法は?
「でも球根を食べることなんてある?」
と思う人もいるかもしれませんね。
でも山菜採りをしたり、
山に入る事が多い人は、
彼岸花の草がノビルやアサツキに
似ている事を知っているのでは?
誤って採って食べてしまうと
毒が回って危険なんです。
彼岸花の球根を食べると、
・激しい下痢
・嘔吐
などの症状が30分程で出てきます。
ひどくなると
・けいれん
・呼吸不全
・中枢神経麻痺
といった症状を引き起こします。
また、皮膚が弱い人だと
球根を触ったり汁に
触れることでかぶれる可能性もあります。
解毒剤はないので、
下剤を投与するなど
対症療法で治すこととなります。
大人はもちろん、
子供や乳幼児が誤って口にしてしまった場合は、
呼吸不全になったり嘔吐物がのどに詰まってしまうことが
あるので気を付けてくださいね。
毒があるとはいえ、
球根にはデンプンが豊富で
昔は貴重なエネルギー源でした。
そこで昔から毒抜きすることで
食べられてきたそうです。
また、
毒抜きして漢方としても
使われていました。
毒抜きは丁寧に行う必要があるので、
慣れている人以外は気を付けた方が良さそうです。
【毒抜き方法】
①球根の外側の黒い皮を取ります。
②おろし金やすり鉢を使って
丁寧にすりつぶします。
念のためゴム手袋をするのがおすすめ。
③有毒成分のリコリンは
水に溶けやすい性質なので、
水でよく洗って流水にさらし、
数日間毒を流します。
④鍋で煮込み、
新聞紙や目の細かいザルなどに
のせて天日干しし、
乾燥させて粉状にすればおわりです。
まとめ
彼岸花は墓地でよく見かけますが、
それは彼岸花の毒性を利用したもの。
モグラやネズミにお墓を
荒らされないようにするためなんです。
このように毒は危険な一方、
人々の暮らしを助けてくれる役割もあります。
彼岸花の場合は食べなければ危険はないので、
お彼岸の時期はぜひお子さんと一緒に鑑賞してみてくださいね。
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